シンデレラ

仕事場で流している FM ラジオからの邦楽から、
バイク用語がいきなり聞こえてきたので聞き耳を立てた。
最初は空耳かと思ったのだが、本当にバイクの専門用語だった。
人間の耳って不思議で、まったく関心を払っていない時でも
自分に近しいキーワードはちゃんと捉えている。すごい。
それはともかく曲の方だが、
何という歌なのか調べ、さらに歌詞を見てみると
「2ストロークの」「ボンネビル」という内容が入っていた。
ふむ。
それを受けてかどうかはわからないが、ネット上の質問サイトで
「2ストロークのボンネビルっていうのは存在するのか」
という問いが挙がっていたりもする。
バイクでボンネビルといえば普通トライアンフかヨシムラを意味し、
そのどちらもが4ストロークだ。
したがって歌詞は架空のものか、もしくは誤用であるが
ここでうっかり「ボンネビルは4ストだろうが馬鹿め」的な気持ちを
自分の中にかけらでも発見するのが、最近怖い。
知っているからといって威張れるほどのネタではない。
むしろこの歌に関わるクリエイターやリスナーにとって
ボンネビルが2ストか4ストかという事など
「どうでもいい事」である可能性は非常に高いと思う。
おそらくはちょっとマニアックでかつ語感のいい、
それでいてどこかで聞いた事があるようなフレーズ、
といった感じで取り入れられたのではないだろうか。
そんな些末な事象に対して「引っかかってみせる」のは
言ってみれば「当たり屋」みたいなものなんじゃないかなぁと
最近僕は感じるのだ。
オタク的な行動原理として
自分が他人よりも興味対象との距離を縮める事で
優越感を感じるというのがあろうかと思うのだが、
上記のボンネビルのような例の場合、
いつもの行動パターンのように見せかけて
実はその行動の原動力は、
(ある意味順当に評価されるべき)優越感への意欲ではなく
薄っぺらく単細胞な「他人への攻撃衝動」だけなのではないかと考えるのだ。
それを持ってしまう事が、最近の僕は怖い。
最近はネット上もそういうのがあふれているから、
食当たりを起こしているのかもしれないな。