ゲロッパ!

■僕は成人するまでを関西で過ごして、
だから関西を語る資格もあると思うんだけど
ゲロッパ!」を見て感じたのは、関西人のイチビった自意識その物だった。
でかい声で関西弁をまくし立てて
人から主導権を奪い(奪った事にしてしまい)、
「なんや文句あるんか」と凄んで強引に正当化しようとし、
「こいつ文句あるみたいやで」と周りがいつの間にか同調者になったかのように雰囲気をかもして、
「なんやそれ、ワシ頭悪いからわからんがな」と馬鹿を演じて周囲のウケを取りに行き、
「何マジになっとんねん」と自分のレベルがさもそこにはないようにごまかした後で
「どうせ俺が悪モンやねん」と加害者と被害者をすり替え、
「俺がいなくなったらみんな幸せになれるんやろ?」と殊勲者を装って逃げる、
そんなイチビり気質なムード満点な映画だと思った。
西田敏行岸部一徳常盤貴子は結構良かったけど。
昭和三十年代の、昔は良かったもうすぐ還暦だけど
まだまだ一花咲かせ…られそうな気がしてる世代にはたまらんでしょうな。
アホかっての。
世の中に超法規的措置なんてそう簡単に転がってるかよ。
責任取れよ責任を。
カッコつくとこだけ声高にがなりやがって、
ネガなところも正直に述べたててみろっての。
大阪の町みたいにソウルフルでハッピーな映画作りたいねん、
JBや、JB知ってるか、ジェームス・ブラウンや、
ワシ最高にやる気になっとんねん、おもろい映画になるで。
バーン、ダダダでゲロッパやがな、
それで十分やろ、と作ったのでこんな映画になりました…って感じか。
星をたくさん付けたレビューを書いた人のどれだけが
ブルース・ブラザース」を見た事があるだろう。見ろよ。
※追記
言い過ぎかと思ったけど、JBが好きだから誘拐してくるってのはどんな考え方だよと。
女の子に振られたから殺しちゃうのとあんまり変わらないんじゃないの?
その子の幸せを願う、のとはだいぶ違うよな。
冒険心を忘れない、とか憎めない愛すべきなんたらとか言うなよな。
※さらに追記。
流し見ではあるけどその後、2回目を見てて思った。
これ、「吉本新喜劇」ですな。
あれを、予算かけて作ったらこうなるって感じ。
吉本新喜劇」を下に見てるわけじゃないですよ。
オッチャンオバチャンに喜ばれるペーソスを伴った人情喜劇として、
僕はとてもいい物だと思ってます。
僕が見てたのは、木村進が出てた頃ですが。
でも、それをそのまま銀幕に持ってっていいかというと全然違うでしょ。
そういう事なんじゃないかと、2回目を見ながら思った次第です。