運転中の眠気

先日、実母と家族を連れた小旅行の帰り道で、僕は睡魔に襲われた。
妻と交代で運転することは日頃良くあるのだがその時は彼女も同じような状態であり、
バトンタッチしたところで、眠いドライバーから眠いドライバーに代わるだけの事、
危険度はまったく下がらない。
いったん車を停めて休憩を取るのが妥当なのだが、
せっかく道路が空いているうちに早めの帰途に着いたのに、
後方から迫り来る渋滞に呑み込まれるのが腑に落ちない。
だから運転を続けたのだが、やはり眠い。
ウトウト運転になりそうだ、という手前で、
僕は力を振り絞って眠気の壁をかきわけ、その前に自分の意識を出した。
つまり、眠気を克服した。
会議中に眠くなる事はよくあるけれど、その眠気は突破できるようなものではない。
なぜ今回の運転中に克服できたのかというと、
家族を乗せて運転しているという責任感、危機感、
そこから、アドレナリンやドーパミンみたいなものを
意図して発生させたのではないかと思う。
その、眠気からの離脱は、そう長くはもたなかった。
だから都合3回ほど、僕はその眠気突破をやった。
しかしその後、猛烈に頭痛がしだし、冷や汗が大量に出てきた。
その頃には妻が少し仮眠を済ませていたので運転を代わってもらったのだが、
僕はその後吐いてしまった
(お土産のビニール袋が手近にあって良かった)。
考えるに、強制的に脳内麻薬を分泌させるというのは
HPのなくなったところへ、HPがあるように錯覚させる催眠術をかけるようなもので
本当はHPはないんだから、身体の負担も相当なものなんだろう。
極度の緊張状態でもあるだろう。
いわゆる「火事場の馬鹿力」に近いのかもしれない。
ウトウトの手前であっても、疲弊状態での危険運転にあたるだろうと思う。
武勇伝のつもりはない。どちらかというとげっそりしている。
ただ不思議な体験だったので、書き留めておきたかった。
オチは特にない。