「おおかみこどもの雨と雪」

■上の子が「おおかみこどもの雨と雪」のアニメ絵本を買ってきたので読んだ。
子供向けに編集してあるだろうから細かいディテールはわからないけど
映画館で見てもあまり感動できないような気がした。
世の中ではヒロイン花の母親像が取り沙汰されているけどそこではなく。
なんていうか、「おおかみ」ってしょせんカッコいいよな、って。
もっともこれがモグラだったらおそらく花の食指には引っかからず、
交配も無かったのだろうけど
まぁ要するにイケメンだよな、と。
ライオンキングも百獣の王ではあるけどあれは超娯楽大作のビッグタイトルだ。
「おおかみこども」がやろうとした事は「おおかみ」じゃないとダメだったんだろうか。
ニホンオオカミは既に絶滅している。
その、途絶えた種というキーワードが必要なのかどうかは
アニメ絵本ではわからなかった。
ならば「トキ」ではどうなのか。
ビジュアル的な事や、そもそも鳥類ってどうなのか、
ということを差し置いても、
「トキ」は現代のマスメディアによる扱われ方が偏っているから
花が「レア物に固執する」嫌らしさが出てしまうかもしれない。
そう考えると「ニホンオオカミ」が「絶滅した種」である事って、
日本人にはあまり馴染んでいないのだなぁ。

「送り狼」「狼男」なんて言葉もあれば
「狼は生きろ 豚は死ね」(←今見るとすごい言葉だ)なんて台詞もあるように、
「オオカミ」には危険でアウトロー的なイメージがある。
それをこんなテーマの映画で使う事に、
キモオタの僕は納得できないのだ。
そりゃスキになっちゃっても仕方ないよねー。
子供ができたらいろいろと障害が待ち受けているだろうけど
乗り越えてみせるわー、ウン、デキルトオモウ。
EXILEDQNと浅はかギャルのストーリーの超意訳、かと思うと
たいへん虫唾が走ります。
いやそれは意訳が過ぎるでしょ、と言われるかもしれないけど
「何気に尾崎っぽいよな」(by「下妻物語」)よろしく
花目線ではそうかもしれないではないか。
まぁでもターゲットがどの層なのか、他のどんな層を取り込もうとしているのか、
どうすれば誰の錯覚を呼べるのか、誤解した高評価を得られるのか。
僕は今現在、無責任ながらも育児をしている最中なのだが
僕のような者がターゲットのド真ん中でない事は確かなようだ。
もしくは毒にも薬にもならない「放っておいてもいい層」という事か。