哀悼の意を表し。

■今日は終戦記念日である。
朝から小泉総理の参拝で、ワイドショー関連も賑やかだし、
僕の勤務先は九段に程近いので、
周りの雰囲気も午前中は騒然としていた。
…そう、僕は今日、出社だったんである。
昔、小学生だった頃、居間のテレビが流す高校野球のさなかに
終戦記念日の黙祷がなされる事があって、
今でも、そう今日もやっていたに相違ないのだけれど
その時腕枕で寝っころがって観戦していた僕は
やはりちょっと起き上がって
目をつぶってみたりした事を覚えている。
しかし。今日、午前の仕事に一段落つけて、
昼食を買いに外に出て、腕時計を見たら
正午を十五分程過ぎていて。
千鳥ケ淵は目と鼻の先だというのに。
神道だとかタカ派だとか軍国主義だとか
そんな事は一切関係なく、
お盆のこんな日に働いて…いや働かされている事、
そして正午に気付きもしなかった、気付けなかった事を
本当に、心から、貧しい事だなぁと思った。
景気が上向きなんてよく言ったものだ。
心を亡くして働いて、この国を造っていると言えるだろうか。
愛国心、という言葉はいろいろ意味を持ってしまって使いにくいけれど
祖国を愛する気持ちは皆が持つべきなのだ。
日の丸じゃなくて、日本という国の風土、をだ。
日本で一緒に生きてきたカブトムシと、
商業ベースで連れてこられた舶来の甲虫は
「なぜ我々の前に存在するのか」と
いう事からして違うんだぞ、甥っ子よ。