地震への心構え

■九州の地震によってまた気を引き締める事ができたようだ。
関東にも地震は必ずやってくる。
僕は実家が阪神淡路で被災したので
間接的には被災者だ。正直言って遺産も減ったから実害もある。
それはともかく、実際に身内から生の体験談を聞いているので
メディアからの雰囲気を出した防災記事よりは
少しはましな心構えができていると思う。
さてそんな僕が聞きます。
東京が大震災に見舞われたら、
あなたは会社の片付けに行きますか?
僕の父は翌日から行っていた。
わりと大きな会社だし、もちろん自社ビルだし
全国に支店があって、当然東京は機能してたから
ほぼ創業メンバーである父の行動は間違っていないだろう。
母は心細かったようだが弟は成人してたし、責める事はできまい。
では僕、そしてあなたの場合はどうだろうか。
まず第一に、会社に到達できるかどうかが問題だ。
片道4時間以上かかっては、せっかく行っても役に立つまい。
何度か顔を見せて生存報告をして、
後は交通機関が復旧するまで
家庭にかかりきり、を決め込むのが妥当だろう。
なんとか会社に行ける場合はどうなのか。
僕の勤める会社は小さい広告制作会社で、体力はあまりない。
地震のあった月はまず給料は出ないだろう。
また、広告費というのは真っ先に削減されるところである。
関東以外でも自粛ムードが漂って、
おそらく3ヶ月以上は仕事がないだろう。
たぶん倒産するのは免れまい。
そんな会社の片付け、あてもない再建を手伝うのは
もしかしたら再建するかもという微かな望みと
世話になった(?)義理への浪花節と、
なんとなく知らん顔するわけにもいかないしがらみ、
または独身で他にあてもない、なんていう場合だろうか。
しかし人は生活しなくちゃいけない。
収入を得なくてはならないわけで、
感情だけでは飯が食えない。
再建する見込みのない会社ならば、
見切りを付けた方がいい事も…、
そしてその見切りが一刻も早いほうがいい場合もあるだろう。
関東以外に職を求める場合がそれで、
同じスキルなら早い者勝ちだ。
古い会社を見捨てるのは気分がよくないが、
会社がどれだけ従業員の想いに応えてくれるかは不明だ。
下っ端が一生懸命に資材を運んでいる時に
重役達は会議室で、僅かな資産を
どうやって自分に多く振り分けるか必死かもしれない。
終身雇用を約束してくれているならともかく、
そうでないなら良心の呵責を感じる必要はないと思う。
さて、会社を見切ったうえでなお、
会社に顔を出した方がいいのではというケースがある。
会社の仕事をぶんどる場合だ。
得意先とのコネを確認し、強固な物にするなら
会社の人間として動いた方が受け入れてもらいやすそうだ。
さてどうするか。考えておいた方がいいよきっと、俺。